人権教育
令和5年度人権・道徳教育映画会
5月25日(木)に人権・道徳教育映画会を行いました。
今年度は、島崎藤村原作の「破戒」を全校生徒で視聴しました。間宮祥太朗さん演じる主人公の丑松は、被差別部落出身ということを隠して、小学校の教員として働いていました。丑松は生徒に慕われていましたが、一方で自分の出自を隠していることや未だに身分差別が続く社会の状況に煩悶していました。そんな中、丑松は、被差別部落出身の思想家である猪子蓮太郎が著した本や演説に感動し、教え子たちにメッセージを託します。
*生徒の感想(抜粋)
・主人公が、自分が被差別部落出身であるということを絶対に口にしてはいけない、人を信用してはいけないと葛藤している苦しい表情が印象に残っています。困難に立ち向かおうとする姿勢に勇気づけられました。現代を生きる私たちも、生活の中でどこか無意識のうちに差別をしているかもしれないと思いました。
・主人公が言っていた、「みんな血が通い合っている人間」という言葉がとても印象に残っています。
・「人は弱いから差別をする」という言葉がとても心に刺さり、なぜ生まれが違うだけで差別されなければならないのだろうと思いました。
・演説を聴いた後の主人公は、勇気を出して出自を打ち明けられてよかったと思います。そして、そのことを知った友人の対応に私は感動しました。また、生徒たちも「先生は先生だ」と言って、本当に大切なことは何かをわかっていると思いました。
令和5年度第1回人権学習HR活動
5月11日(木)の7限目に,第1回人権学習HRを行いました。
1年生「SNSと人権(インターネットによる人権侵害)」
インターネットは私たちの生活になくてはならないものになっています。私たちはインターネットの特性について理解し,ルールやマナーを守り,正しい利用を心がけなければなりません。インターネットについて,また,友人との具体的なトラブルの事例について考えました。
2年生「メディア・リテラシー(フェイクニュースを見抜くには)」
ネット上のフェイクニュース(虚偽の情報)の存在や,私たちが情報に接するときに気をつけることを考えました。また,ロシアのウクライナ侵攻におけるフェイクニュース,ディープフェイク(AI技術等で作り出された,偽の映像),ファクトチェック(情報の真偽を検証する活動)についても学びました。
3年生「インターネットと人権」
SNSによる誹謗中傷は社会問題の一つとなっており,いつ誰が加害者・被害者になってもおかしくない問題です。これは高校卒業後も考えていかなくてはならない問題です。SNSで傷つく人を減らすためにはどうしたらよいか考えました。
*人権教育推進委員の感想
・SNSによる人権侵害について詳しく考えることができました。最近はネットでのやり取りが増えたのでスマホの機能や設定を理解して利用しなければいけないなと思いました。またスマホでのやりとりの際,文字だけでは相手に誤解されるので,絵文字などを活用し,誤解されないようにしたいです。
・フェイクニュースは見分けるのが非常に困難だということを知ることができた。自分なりに調べて判断して,すぐに信じないことが大切なのだと思った。SNSの怖さがよく分かった。
・グループの話し合いで,「情報を疑う」「むやみに拡散しない」などの意見は共感できる部分が多かったです。また,フェイクニュースについての動画を見て,悪気がなくても発信してしまったパターンがあると知ったので,自分が被害者ではなく,加害者になる可能性があるという事をしっかり覚えておきたいと思います。
・インターネットによる人権侵害や社会問題の具体例を見て,それに基づく法律の必要性をグループで議論したことが印象に残りました。
・SNSでの書き込みは自由ですが,それで人を傷つけてしまうこともあるということを自覚して使わなくてはいけないと分かりました。
・誹謗中傷が多い一番の理由は,匿名で書き込むことができるからだと思う。相手に直接言えないことも匿名だと言えたり,拡散力の強さだったり,非常に恐ろしいと思う。自分の発言に責任を持つことを心がけることが大切だと思いました。
生徒人権教育推進委員会
5月11日(木)の放課後,生徒人権教育推進委員会を開きました。
各クラスから人権教育推進委員となった生徒たちが集まり,委員の仕事内容や,本年度の予定の確認を行いました。
また,人権推進委員長,副委員長をはじめとする役割を決定しました。
一緒に学校の人権活動を推進していきましょう。1年間よろしくお願いします!(^^)!
令和4年度第5回人権学習HR活動
2月16日(木)に、第5回人権学習HR活動を行いました。
1年生 性と差別について(デートDV)
デートDVとは交際相手との間で起こる暴力のことであり、身体的暴力に加え、精神的暴力や経済的暴力なども含まれます。知らず知らずのうちに加害者や被害者にならないように、動画を参考にしながらデートDVについて学びました。
*人権教育推進委員の感想
私は初めて「デートDV」を知り、少し怖くなりました。どちらかがしんどい思いをしたり我慢をしたりする毎日を送る恋愛は、本当の恋愛ではないなと学習を通して改めて思いました。思いやりのある恋愛をしたいなと思います。
2年生 人権尊重のまちづくり ~今、私にできること~ (同和問題)
出身地による結婚差別や就職差別をされたというニュースや記事を、今でも目にすることがあります。2年生も動画を参考にしながら、同和問題の歴史や近年のインターネットを介した差別について学びました。
*人権教育推進委員の感想
現代社会では、インターネットの普及により不特定多数の人に情報が広まる。中には匿名で差別的な発信を行う人もいて、ネット上での問題も増えていることがわかった。同和問題は人間によってつくられたものなので、人間の努力によって改善していくことが必要だと感じた。
中・高生による人権交流集会
12月17日に徳島県教育会館(徳島市)で行われた「中・高生による人権交流集会」にヒューマンライツ部員6名が参加しました。全体会は、とよなか国際交流協会の三木幸美さんによる「私からはじめる 私たちの多様性社会」についての講演でした。分科会は、同和問題、貧困、ジェンダーの3つに分かれ、意見交換をしました。
ヒューマンライツ部員が参加した南部ブロック生徒部会では、ジェンダーについて考えました。ジェンダーカルタでアイスブレーキングを行った後、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)や幼少期からのジェンダー教育のあり方についてグループで意見を交わし、代表者が発表、会場全体で共有しました。
令和4年度人権・道徳教育映画会
11月17日(木)に人権・道徳教育映画会を行いました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、3年ぶりの開催となった今回は「彼らが本気で編むときは、」という映画を、2部制で視聴しました。この映画は、主に性の多様性について扱っており、性の多様性について学びたいという生徒たちの思いを踏まえて選定しました。物語は小学生の女の子であるトモの視点で描かれていました。トモの母親は、たまに家を出て行ったきり帰ってこなくなることがありました。母親が帰ってこなくなると、トモは叔父のマキオの家で生活するようになります。このマキオの家でマキオと同居しているのが、生田斗真演じるリンコです。リンコは男の子として生まれてきましたが、性転換手術を行い、女性として生活しています。トモも最初はリンコに対して戸惑いを感じますが、一緒に生活する中で理解を深めていきます。
生徒たちの感想を読んでいても、映画を視聴して性の多様性に対する理解が深まっていることが感じ取れました。今回の映画で深めた理解を、今後の日常生活の中で活かしていってほしいと思います。
令和4年度第3回人権学習HR活動
9月27日(木)に、第3回人権学習HR活動を行いました。
1年生 避難所における人権課題(災害時における人権問題)
今後数十年の間に南海トラフ地震が起こる可能性が高まっており、海部高校は避難所に指定されています。生徒たちも何らかの役割を任されるかもしれません。このことを踏まえ、避難所での人権問題について「自分事」と捉えて考えました。
*人権教育推進委員の感想
幼児連れやペット連れなど、さまざまな事情を持った人がいて、配置を考えるのに困った。実際に災害が起こって避難したときは、リーダーシップをとって避難運営に貢献したい。
2年生 認知症を学び地域で支えよう(高齢者)
日本では高齢化が進んでいますが、65歳以上の方の4人に1人が認知症とその予備軍だそうです。認知症が我が国の課題となる今、講師の先生をお招きして「認知症サポーター養成講座」を実施しました。
*人権教育推進委員の感想
日本では高齢化が進み、私の住む海陽町でも高齢者の方が多いので、今回のことがいかせる機会があるかもしれません。自分の対応次第で認知症の進行を遅らせたり早めたりすると聞いたので、気をつけたいと思いました。認知症の方やその家族が過ごしやすいようにしていきたいと思いました。
3年生 結婚差別について考えよう(同和問題等)
結婚に関する差別は今でも見られることがあり、生徒たちも直面することがあるかもしれません。結婚相手に求める条件を考えることや、結婚差別に関する動画を視聴して、考えを深めました。
*人権教育推進委員の感想
結婚相手に求める条件を今まで深く考えたことがなかったので、何を重視すべきなのかわかりませんでした。私は性格や生活観、飲酒の有無などを重視したけれど、年齢や容姿を気にする人もいて、色々な考えを聞くのがおもしろかったです。出身地を理由に結婚を反対されるのは、すごくおかしな話だと思いました。そのような差別を聞いたことはなかったけれど、現実にあると知り、とても考えさせられました。
令和4年度第2回人権学習HR活動
6月16日(木)の7限目に、第2回人権学習HR活動を行いました。
1年生 子どもと人権
いじめ、貧困、虐待。今も多くの子どもたちの権利が守られていない状態が身近にあると思います。子どもを取り巻く状況に対して私たちはいったい何ができるのか考えました。
*人権教育推進委員の感想
いじめについて考えました。「お笑い」についての新聞記事にもあったように、自分は人を笑わせようとしたつもりでも、誰かが傷ついているかもしれないので、難しいことだけれど相手の気持ちを考えることが大切だと思いました。
2年生 アイヌの人々
2年生は6月22日からの修学旅行で北海道に行きます。アイヌの人々はどのような文化を持っていたのでしょうか。『ゴールデンカムイ』を参考にしながら、アイヌの人々の文化や価値観に迫りました。
*人権教育推進委員の感想
アイヌ人やアイヌ文化は歴史の授業で少し習ったとは思いますが、ここまで詳しくは知らなかったです。今回、アイヌの人たちの文化や考え方が、本当にその通りだと考えることが多くありました。自分たちもアイヌの人たちのように何事にも神がいると考え、感謝していきたいと思いました。アイヌ文化博物館に行くのが楽しみになりました。
3年生 就職差別
進学、就職を控えた3年生。就職差別とはどのようなものなのでしょうか。採用する側に立って考えた後、どのような質問が就職差別につながるのか考えました。
*人権教育推進委員の感想
今回のテーマは「就職差別」でした。この時期に学べて良かったです。授業で5人の人を採用したい順にしたのですが、人それぞれ注目するところが異なっていて、採用する側もされる側も大変だと感じました。また、自分が生まれた場所や宗教など、自分の力に関係のないことを聞かれた場合は、「お答えできません」と断れたらいいと思いました。
第5回人権学習HR活動
2月17日(木)の7限目に、第5回人権学習HR活動を行いました。
1年生 性と差別について(ジェンダー・デートDV等)
ジェンダーにもとづいた偏見や差別をジェンダーバイアスといいます。家庭や学校など身近な場面で見られるジェンダーバイアスについて考え、解決するためにできることを話し合いました。
*人権教育推進委員の感想
日常を振り返ると思い当たるところがいくつかありました。問題を解決するためには、疑問を持ったことをはっきり伝えることが必要だと思いました。自分から行動してみることで少しでもジェンダーバイアスが減っていったらいいなと思いました。
最初のクイズで、固定概念が自分に染みついていると知って驚きました。普段から注意して、無意識のうちに人を傷つけないように心がけたいです。
2年生 人権尊重のまちづくり ~今、私にできること~
人権尊重のまちづくりという視点から、同和問題について学習しました。中でも結婚差別やインターネットによる差別について、「同和問題~未来に向けて~」という動画を視聴しながら考えました。
*人権教育推進委員の感想
「同和問題」という言葉を私は初めて聞きましたが、もしこの言葉を偏見などがある人から聞かされていたら、私は誤った知識のまま生き、差別する側になっていたかもしれません。正しい情報を知り、誰も差別されない世界になってほしいので、私も頑張りたいです。
同和問題が今も残り、現代はインターネットを悪用した問題が増えていると知って驚きました。環境整備だけでは差別や偏見を完全に取り除くことはできなくて、問題の背景を、間違った情報に流されずに正しく理解することが大切なんだと知りました。動画にあった「人間がつくったなら、人間の努力によって解消できる」という言葉の通り、私たちが課題に向き合って解決していかないといけないなと思いました。
令和3年度 人権・道徳教育講演会
11月18日(木)の7限目に、人権・道徳教育講演会を開催しました。
今年度の講演会は「命の大切さを学ぶ教室」です。広島市在住の三浦由美子さんをお招きし、ご講演いただきました。三浦さんの長男・伊織さん(当時16歳)は、平成23年5月2日、自転車で帰宅中に、飲酒運転のトラックにはねられて亡くなりました。現在、三浦さんは、誰一人として加害者にも被害者にもなってほしくないという思いから、飲酒運転根絶についての啓発活動や講演活動を行っています。
本日のご講演では、事故当時の状況やその後の家族の様子、加害者とのやりとりなどを具体的にお話ししてくださいました。生徒たちも真剣に三浦さんのお話を聞き、交通事故やそれに関わる人権問題に対する考えを深めていました。
*人権教育推進委員の感想
「人は存在するだけで価値がある」という言葉が心に残っています。私たちは毎日、明日が当たり前のように来るような気持ちでいますが、このように文章を書いている今も、生きることが叶わずに亡くなっていく人がいます。今日の講演で「生きている」ということは当たり前ではないのだと改めて感じました。だからこそ、生んでくれた母親や育ててくれた人の気持ちに感謝し、一日一日を大切にしていこうと思いました。そして、このような悲しい事故が二度と起こらないように、加害者にも被害者にもならないように、今日の講演をずっと忘れないようにしていきたいです。