国内短期留学プログラム 実施報告
8/7(水)~9(金)東京都への国内短期留学プログラムを実施し、5名の生徒が参加しました。
本プログラムは海陽町教育委員会・フェリシアこども短期大学の支援を受け、今年度より設立されました。「生き方を考える」をテーマに東京と海陽町とで生きる様々な体験を通して、「生きる」とは何か、これからどう「生きる」かについて考える時間を持ち、予測不可能な時代と称される現代を生き抜く力を養うことを目的としたものです。
【事前学習】
東京へ出発する前から、生徒たちは事前学習に取り組みました。課題は、「今、生きている地域を知る」。単純に都会志向になる前に、地元での生き方・魅力を発見し、東京在住者と話す際の立脚点を確認することを目的に、様々な場所を訪問しました。
○轟神社・轟の滝
海陽町の水にまつわる伝統文化を知るため、轟神社を訪問しました。
○藍染Café in Between Blues
海陽町でファッションの観点から持続可能な社会を考える、in Between Bluesを訪問し、代表の方から世界の服飾業界の現状と、地方に住みながら我々にできることを考えました。
○城満寺
住職に、「生きる」を禅の考え方で捉え直すことについてお話しいただきました。
○藍染Hi-COLOR handworks
徳島の伝統文化を体験するとともに、東京で交流する方々へのお土産作りのため、藍染めのハンカチを作成しました。藍が手に染み込み、青くなった手を誇らしげに掲げながら東京へ出発することとなりました。
○ドラマ「白洲次郎」視聴
海陽町教育委員会のご厚意で、吉田茂元総理大臣の盟友として演説原稿の作成等に携わった、白洲次郎をテーマにしたドラマを視聴しました。現代同様の、戦後の激動の時代を時代に抗いながら生き抜いた白洲次郎の人生をヒントに、生き方と暮らし方について考えをまとめました。
【東京にて 一日目】
○東京散策
東京に到着してすぐ、渋谷の街を散策しました。各々が事前に計画を立て、短時間ながら充実した研修になりました。
○渋谷新聞訪問
渋谷の地域新聞である、渋谷新聞を訪問し、同世代の若者と座談会を開きました。東京と海陽の暮らしの差、環境の差が生み出す考え方の違いを確認し合い、新しい視点を得ることができました。
【二日目】
○白洲次郎記念館「武相荘」訪問
フェリシア高等学校と合同で、事前学習で視聴した「白洲次郎」が実際に生活した住居、武相荘を訪問しました。館内見学のほか、白洲次郎の親族である牧山圭男氏から次郎の生き様や晩年の様子をお話いただきました。
○フェリシア高等学校との交流会
フェリシア高等学校を訪問し、「東京と海陽の生活の違い」について意見交換を行いました。渋谷新聞での座談会とテーマは同じですが、同じ高校生どうしの意見交換ではさらに違った意見が飛び出し、有意義なものとなりました。
【三日目】
○フェリシア短期大学訪問
最終日はフェリシアこども短期大学を訪問し、施設見学のほか、学長や教授から「生きる」ことに関して講義を受けました。
【事後報告・交流会】
二学期に入ってから、海陽町教育委員会への事後報告と、参加メンバーによる交流会を実施しました。学校では直接会う機会の薄い参加者ですが、短期留学終了後に考えたことや、それを踏まえて変化したことなどを話し合い、国内短期留学プログラムの総まとめの時間となりました。
【参加生徒の感想】
○ 渋谷新聞の学生方であったり、フェリシア高等学校の方々、フェリシアこども短期大学の学生方の人柄の良さであったり、武相荘で白洲次郎が関わりの深かった吉田茂の杖を形見として持っていたことなどの実際に行ってみないと分からないような内容もあったりして、すごく貴重な経験だったと感じている。高校生活では経験できないような内容だったと思う。
○ この留学で最も有意義だと感じたのは、渋谷新聞のライターの方々との交流でした。特に、ある大学生のライターの方と二人でお話しする機会があり、その時間が私にとって非常に貴重なものとなりました。私はその方に、自分が東京の大学への進学を考えていることを伝えました。すると、その方は「何でも手伝うから!」と、快く相談に乗ってくれました。交流が終わった後も、連絡先を交換し、今でも毎日Zoomを通じて連絡を取り合い、進路のサポートをしてもらっています。この経験から、私は留学の目標であった「人と繋がることで人生の選択肢が広がる」ということを実感することができました。
○ 留学前はお話をしてもらった時に自分なりの考え、疑問をすぐに持つことができませんでした。しかし留学をしてたくさんの人と交流をすることで、すぐに疑問を持つことができるようになり、質問をすることができるようになりました。
○ 生粋の都会人と田舎人では感覚に差がありとても面白かったです。僕は「東京にはチャンスがあって、田舎にはチャンスがない」とずっと思ってきました。それを渋谷の学生にぶつけると「田舎はチャンスは少ないけど、すごく地域のコミュニティがあり、行動しなくても人との日常的なかかわりが持てる」「都会は確かにチャンスがものすごく多いし、手に入れようと行動すれば山ほど手に入る。しかし、自分から行動しなければ何も得ることはない」と言われ納得しました。
○ 武相荘の館長である牧山さんは、自分の軸を持っていると幸せに生きていくことができるとお話しくださいました。このことを聞いて私はとても感心しました。しかし、同時にどうすれば自分の軸を持つことができるのか疑問に思い、それをぶつけてみました。すると牧山さんはこう話されました。それは、自信を持つことです。と。自信を持つことができれば、自分という軸がブレずに真っ直ぐでいられるようになるということです。牧山さんは簡単なことのように言っていましたが、そうなれるようにがんばっていきたいと思います。